こんなことを思い出した

学生の頃、吹奏楽部の定期演奏会でブラスアンサンブルをすることになって、トロンボーンがヘタクソなボクも何とか混ぜてもらえた。
アンサンブルのリーダーは現SFCの団長makotoさんだ。makotoさんは当時から他大学にも名が轟くほどのトランペットの名手で、みんなの憧れの的だ。ボクはもう、メンバーに選ばれたことが嬉しくてウレシクテ、毎日沢山練習した。他のみんなは上手い人ばかりなので、足を引っ張らないように、あわよくばmakotoさんの期待に応えられるように・・・
そして遂に演奏会前に他の部員にお披露目する日がやってきた。身近な人々に演奏を評価してもらえるいい機会だ。ボクは緊張していたかどうかも判らないくらいガムシャラに演奏した。
演奏が終わった後、一緒に学生指揮者をしている後輩(歳は上なんだけどね)が飛んで来て「スッゴい上手くなったじゃないすか! オレ関心しちゃいましたよ。」と言ってくれた。彼はマーチングの指導員の資格も持つ、カリスマだ。「ありがとう」とお礼を言って、楽器を片付けようとしたら今度はさっきまで一緒に演奏していた同級生がやってきた。苦楽を共にした一番の友達だ。「何だよ、あいつ。otoshimonoはいつだってちゃんとやってるし、今更『上手くなったじゃないすか』じゃないだろ。失礼だよ、まったく。」
どっちにしろ、ボクがヘタクソなので二人ともハラハラしていたのは間違いないのだし、今回の演奏で少々株を上げたのも間違いない。けれど、立場は違えどもボクの事を気にしてくれている仲間がいるってことが一番嬉しかった。