オーマイブラザー

先日、蒲田でお好み焼きをつついてたら、広島の父親から電話がかかってきた。「今おばぁちゃんがウチへ来とるけぇ、かわるぞ。」
もう九十歳に迫る祖母はとても元気が良く安心した。二年以上も顔を見せていないボクたちとしては本当に申し訳ない限りだ。この年末は必ず帰るからと告げた。続いて母親が出た。
「この夏はkenji*1帰れんのじゃて」
なんでね、と聞くと、インフルエンザだという。
「あいつインフルエンザにかかったん?」
「それが違うんよ。盆休み前に会社の研修に行ったら、その受講者から患者が出たんじゃって。ほいたら濃厚接触者じゃってことで受講者と講師みんな様子見で自宅から出たらいけんなったらしいんよ。で、あの子も《何か調子悪い》と思ったんじゃけど、診てもろうたら何ともなかったんじゃって。昔からすぐあぁじゃけんね。周りの雰囲気にのまれるんよ」
「でも、良かったやん。かかっとらんのじゃけ」
「で、あの子《免疫できたけ、もうインフルエンザかからんかの》って言うから『何ともないなら、発症しとらんのじゃし、あんまり関係ないみたいやで』って教えたら《広島にも帰れんし、免疫も付いとらんなんてムチャクチャ損したわ》って怒っとった」
「そら悲惨やな」
「あんたらも気ぃつけんさいよ。ウガイにテアライじゃけんね」
「そりゃ、お互い様じゃけんね、そっちのが高齢なんじゃけ。死んどる人も出とるけね」
「分かっとるよ」
うーむ、とばっちり食らって盆休みを棒に振った弟は大変気の毒だが、ご時世だけに仕方ない。それこそ祖母にうつしでもしたらオオゴトだ。
皆様もウガイにテアライを。

*1:ボクの実弟。