打楽器の逆襲

いつの世にも「伝説の人」なる人物が存在して、それは大学のサークルのような小さなコミュニティでも例外ではなく、その「伝説の人」が在籍しているときはなにかと華々しい。
埼玉大学吹奏楽部打楽器セクションによる打楽器アンサンブルコンサートは、今年で3回目。今回出演した学生たちは、2年前にこのイベントを立ち上げた*1「伝説の先輩」たちの背中を追ってきたはず。ほぼ満員のホールで安定した演奏を聴かせてくれた。
演出も実に学生らしく(まぁ悪くいえば幼稚なのかもしれないが・・・)、打楽器コンサートにありがちなマニアック感よりも、聴衆のことを考えたプログラムになっていて好感が持てる。打楽器を嗜んでいない人々にも馴染みのある映画音楽やミュージカル曲などを自分たちで編曲し、寸劇を交えながら披露するといった場面では、見に来ていた中高生から笑いがこぼれた。
12月に開催している母体の吹奏楽部の演奏会が、毎年聴くたびにレベルが下がっているなぁと感じてしまうなかで、打楽器だけでこれだけのクオリティのイベントができることに少し安心した。まぁ昔から少人数アンサンブルには強い楽団なので、こういったパート単独の演奏会が開かれるのは珍しくないのだけど*2
今年の4年生が卒業すると大幅にメンバーが減ってしまうとのことで、次回以降の開催に不安もあるようだけれど、なんとか前に進んでいって欲しいと思う。
ところで、来週の日曜に石巻で開催されるラ・カマラータ・ソノーレ アンサンブル コンサートには、ほぼ毎年、とある打楽器アンサンブル団体が友情出演している。その名も石巻Kammer Chor die Trommel Schlagen(カンマーコアー・ディ・トロンメル・シェラーゲン)。もともとは石巻専修大のサークルで打楽器を嗜んでいた人々が立ち上げた団体らしい。世の中にはそんな人たちもいる。打楽器愛好家だって演奏活動を続けることは可能なんだ!
3回もの単独公演が成功した埼玉大の打楽器セクションの学生たちには、この活動が単なる学生時代の想い出で終わらないことを祈ります。

*1:第1回のレビューはこちらid:otoshimono:20070321

*2:これについてはid:otoshimono:20070322