楽しき吹奏楽


昨年ブランデンブルグ協奏曲のファクシミリ譜を買った話を取り上げましたが、その版元さんである日本楽譜出版社さんから吹奏楽のミニスコアが出るとの情報を作曲家の堀内貴晃さんから聞き、「メンデルスゾーン:吹奏楽のための序曲 & 管楽器のためのノクトゥルノ」「スーザ:星条旗よ永遠なれ」「ワイル:小さな三文音楽」を早速購入しました。
吹奏楽の歴史の中でも重要なこれらの楽曲を、素晴らしい解説付きで初演時に近い姿の楽譜が鑑賞出来ることは何よりも楽しいです。ちなにみ序曲は堀内さん、星条旗は青島広志さん、三文音楽は長木誠司さんです。
昨年バンドジャーナルの付録で中原達彦さん編曲による「小さな三文音楽」の吹奏楽版(抜粋版)が世に出ましたが、メンデルスゾーンも含めおそらくあまりアマチュアで演奏されていることがない楽曲ですから、いわゆる吹奏楽愛好家の方々には馴染みが薄い楽曲でしょう。また頻繁に演奏される「星条旗よ永遠なれ」もスーザが書いた楽曲の姿を知る人は少ないと思われます*1。それにスーザ自身によるピアノ編曲版や歌唱版(なんと歌詞もスーザ本人による)が存在しているなんて、もうレア情報もいいところです。ボクだって知らなかった! 今回購入したミニスコアはこういった知的好奇心をくすぐる楽譜が満載です。
ボクが好きな吹奏楽曲はハルモニー・ムジークから出発したタイプの楽曲が多いためか、結構ミニスコアになって出版されているものがあり、見かけてはチョクチョク買っています。
ボクは研究者や作曲家ではないため沢山持っているとは言えませんが、モーツァルト〜ドボルザーク〜リヒャルト・シュトラウスの系譜に繋がる13管のゴードン・ジェイコブの「オールドワイン・イン・ニューボトル」などは持ってる方少ないと思います。これはちょっとした自慢。その他、近現代の作曲家の手によるモノも案外ありまして、ブージーから出ているストラヴィンスキーの「シンフォニーズ」なんておよそB6判で36ページ程しかないにも関わらず2800円+税! とかなり割高感もありますが、それを差し引いても有り余る発見が多いです。
また歴史的に価値のあるタイプの楽曲はバンドジャーナルでも時々スコアとして時折付録になっているものもあります(過去にはベートーヴェンの行進曲「帰営の音楽」などが、最近は伊藤康英さんがホルストの組曲の原典版の研究を発表されています)ので、これもなるだけ集めています。
こういった楽曲を出来れば初演当時の楽器で編成された吹奏楽団で聴いてみたいというのが最近のボクの密やかかつジョーネツ的な願望です。

*1:録音はニュー・スーザバンドなどによるものが既に出ています