地球温暖化はどれくらい「怖い」か?

装丁させていただいた本のご紹介

地球温暖化はどれくらい「怖い」か? ?温暖化リスクの全体像を探る

地球温暖化はどれくらい「怖い」か? ?温暖化リスクの全体像を探る

  • 作者: 江守正多,気候シナリオ「実感」プロジェクト影響未来像班
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2012/04/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今の世の中「地球温暖化」は、それぞれの思惑や立場の違いから煽ってみたり、詐欺扱いされたりで、何かと安易に語られがちなバズワードと化しています。
国家は国際社会における優位性を確保するため、政治家は権謀術数の道具として、企業家は次のビジネスチャンスを求めて、軍人は今後のパワーバランスを探るため、活動家・宗教家は自らの有り様や教義の正当性を訴えるため、生活者としては日々の経済的負担を軽減するため、親としては自分の子孫繁栄のため、個人としては生き延びるため、それぞれが得た「自分に都合の良い情報」を喧伝して回ります。
さて、科学者はどうなのか。
これはそういった立場で書かれた本です。そもそも「地球温暖化」とはどういった定義の状態であり、それにより地球環境上で何が起こる可能性があるのか、それが人間社会にどのような影響をもたらす可能性があるのか、その総合的な深刻度を「怖さ」としてどう評価していくか、そういったことを著者陣である《江守正多+気候シナリオ「実感」プロジェクト 影響未来像班》は照らし出します。
一概に人間社会と言っても上記のように立場においてその「総合的な深刻度」は変わりますし、リスク管理に対する考え方も変わります。この本はそこにおいて答えを出してくれるものではありませんが、個々がこの問題に関わるときに立場による都合の良し悪しで捉えるのでなく、何を事実として知り得て、何を選びとっていけば良いのかという指針になると思います。
いずれにせよ「地球温暖化」をバズワードとして漠然と語っていること自体が一番「怖い」ということです。