NEW COLOR


イラストレーターのサイトウユウスケさんの個展《NEW COLOR》を観に神宮前のタンバリンギャラリーへ。
サイトウさんはボクがアートディレクションを手がけてさせて頂いた現行版の中学校音楽の教科書(教育芸術社)で表紙イラストレーションを描いていただいております。元々は前職場のスタッフの同級生として紹介されたのですが、そうこうしている間に日本でも最も旬で人気のあるイラストレーターになってしまいました。
まぁ、本人はいないだろうと思ってギャラリーに入って作品を眺めているうちに彼が偶然やってきてくれたのには驚きました。facebookなどではポツポツと連絡を取り合ったりはしてますが、久しぶりの再会がとても嬉しく暫く作品の解説をして頂きながら立ち話。デジタルペインティングの使い手として知られる彼ですが、初めての作品集『NEW COLOR』の出版にあたり、得意のデジタルでなく敢えて筆をとってカンバスに向かいました。彼はデジタル上でコラージュしてつくりあげたSomeoneを一人の人物として再構築していく手法を取るのですが、本人曰く「ネタバレをわざわざ手で描いてみました」。つまりデジタルコラージュしたままの状態の画像(または出力)を見ながらカンバスにそれを写し取っていくのだ。しかししかし、やはり元々の画力と色彩感覚は脱帽の一言。そこに体現された世界はサイトウユウスケそのものであり、道具は使うモノであって使われてはイカンなぁと改めて感じ入りました。