ラボ


Twelve Sense の3rd Concert に新大久保のスペースDoへお伺いしてきました。今回もデザインを担当させていただきました。レパートリーも徐々に拡充し、いよいよアンサンブルとしての個性が出始めてたいへん興味深い音作りが見えてきました。今回も村田さんは勿論の事、バストロンボーンの星野舞子さんによるオリジナル作品や超若手の田中裕香さんの書いた編曲作品も披露されました。この規模のアンサンブルは曲の書き手による音楽性そのものの変化が楽しめる点が面白いのです。書き手がメンバーであれば、他のメンバーの個性も引き出した書き方になるので、音楽におけるキャラクター付けが作家とプレイヤーの相乗効果で膨らみが出ます。
さて考えてみれば、パーマネントでラージのトロンボーンアンサンブルを、しかも村田陽一さんという名作編曲家&プレーヤーの監修で若手実力派のトロンボーン吹きが(村田さんを入れて)12名、月に二度も集まって研究したりコンサートに向けて練習したりしているというのは希有な存在です。打ち上げも参加させていただいたのですが、かなり真面目に今後の事や音楽の方向性を話込んでいたりして、ボクは何だか吉田松陰の松下村塾や、緒方洪庵が開いて福沢諭吉が塾頭にもなった適塾などの、明治の世の中を切り開いた幕末の若者が師を慕って集った私設ラボと重なって見えるのでした。
将来「昔さぁ、今では考えられないくらい豪華なメンバーのアンサンブルがあったんだよ」と語り草になるのではないかと思いながら、彼らの話を聞いていました。そういった次の時代のトロンボーンを担う存在になって欲しいなぁ。