まだボクが駆け出しだった頃、あるCDのデザイン制作の依頼を師匠から任されました。演奏者は須川展也さん、指揮は山下一史さん、オーケストラは東京佼成ウインドオーケストラ、タイトルチューンの作曲は長生淳さん、プロデューサーは磯田健一郎さん、レコーディング・エンジニアは小貝俊一さん、カメラマンは川村典幸*1さん・・・
全てのスタッフが超一流の中にポーンとヒヨッコが放り込まれた訳です。しかもCDパッケージをデザインするのですから、ショップでお客さんの目に音よりも先に*2晒される訳ですから責任重大な訳です。キャン玉縮み上がりまくりです。
でも、こういうステージに無理矢理にでも上げられてしまったからにはやらにゃならん訳ですし、上がってしまったらヒヨッコもドジョッコもない訳です。喰われたらオシマイです。
しかし結局は皆さんがブラッシュアップしてくる表現の全てが素晴らしいので、ボクなんぞは、もうあるがままにそれらを置くだけで仕事になってしまったのですが、実際はその時の事は頭が真っ白でちゃんとは憶えていません。
それがこのCD「Die Heldenzeit」。
- アーティスト: 須川展也,山下一史,東京佼成ウインドオーケストラ
- 出版社/メーカー: インディペンデントレーベル
- 発売日: 1999/04/24
- メディア: CD
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なんでこんな話を書いたかと言うと、本日、トランペット織田祐亮さんのお誘いで伺ったベース関谷友貴さんがホストを務めるライヴ*3で、村田陽一さんがメインゲストとして出演されておりまして。村田さん以外は世代的には「若手」ミュージシャンなのです。
もちろん出演者の皆さん一流のミュージシャンですからそれはそれは素晴らしい演奏だったのですが、超一流の村田さんと対峙するときの他の皆さんの面持ちを拝見していたら、昔のことを思い出しまして。
やはり超一流の胸を借りることで自分を引っ張り上げることは大切なんだよなぁ、こういう瞬間瞬間は後々の語り草になるんだよなぁって思いました。だって、ここで作り上げられるものは奇跡なんだもの。
今晩も奇跡の宝石のような一夜でした。