作る

「作る」行為って自分の技量の限界や不自由さと向き合う時間なので、かなり疲弊する。まとまらないと苛立つけど、何となく「まとめちゃう」とコジンマリとショボくなる。こういう仕事をしてしまうとヒジョーに凹む。
毎朝毎朝、軽やかな自由さと未だ見ぬ風景を求めて鼻息荒げて漕ぎ出すのだが、気がつくと忙しさの中で既視感のある安全な港に引き寄せられてしまう。
・・・「ノスタルジーとカタルシスにハズレなし、柳より泥鰌になれ、昔取った取った杵柄の手グセでチョチョイのチョイとクリックすれば締め切りに間に合うぜ。さぁ、そんな仕事サッサと終わらせちゃってビール飲んじゃおうよ」 確かにそうだ、メンドー臭い拘りなんかヤメて、過去の自分にすがっちゃいなさいよ・・・
・・・でも、それじゃ、ダメなんだよね。作り手が後ろを向いたら自分の未来は死んでしまう。過去に甘えて楽してる時ほど自分の実力はジェットで目減りする。苦しいけど自分の不自由さと戦え。頼るモノが何もなくなってから、自分の手さえも頼れなくなってからが新しいモノを「作る」行為が始まるのだ! そして気がつくと知らない新しい島に辿りつく訳で・・・
なーんて生意気言ってるけど殆ど毎日凹んで終わる。不自由さと戦う自分が「まとめちゃう」自分に負けることの方が多いんですよ。
でもでもその中で、一つで良いから、「ここはイイ感じでぶっ壊れたなぁ」という部分を増やしていきてたいんですよ。
そうやって生きていくしかないだよな。