Innocent Dolls


トルヴェール・クヮルテット『Innocent Dolls』のCD、四半世紀もの間ずっと持っていると思っていたら、それはダビングしてもらったカセットテープで、それも行方知れず(だしカセットデッキも壊れてる)なのでAmazonで購入。もう何百回聴いたのかも忘れましたが、改めて聴きなおしました。
光栄にもお仕事させていただいた『With You』『Tipsy Tune』も勿論大好きなアルバムですが、このアルバムの「クラシカル・サクソフォーン四重奏の概念をひっくり返した超名盤」という輝きは薄れませんというか、むしろ今聴く方がその先進性が際立ちます。
本多俊之さん・真島俊夫さん・長生淳さん・横内章次さんが書き下ろしを提供し、クィーンやウェザーリポートやピアソラやガーシュインやアンドリュー・ロイド・ウェバーのアレンジ作品が軒を連ねる。今ならサクソフォーンのレパートリーとして当たり前なことを全部彼らが切り開いたのです。そしてピアノの小柳美奈子さんと共にパーカッションの山口多嘉子さんが参加しています。レコーディングが1993年10月でリリースが1994年1月。まさに吉松隆さんの《サイバーバード協奏曲》の作曲期間と同時期に制作されている奇跡。現在へ連なる全てが詰まったビッグバンの様なアルバムです。
ジャケットも可愛い。この頃のEMIの吹奏楽や管楽器のCDデザインは本当にどれもかっこよくて、実はKOSEIレーベルのCDをデザインする時にも、ものすご〜く意識していました。