樅の木は残った

山本周五郎『樅の木は残った』読了。伊達騒動を題材に採った時代小説。むかーし大河ドラマにもなった。
そう言えば高知に住んでいた頃、小さな学習塾に通っていたのだが、下級生に伊達さんという可愛いおてんば娘がいて、悪ふざけが過ぎて叱られていた時、先生が「オマエ、世が世ならお姫様なんだよなぁ」と呆れていたのを思い出す。そうか、一関藩の改易で山内預かりとなった伊達兵部の子孫か。
主人公・原田甲斐のやり方は現代の考え方には全くそぐわないし、他の方法でみんな幸せに終わったこともあるんじゃねぇのとは思うが、
『この世界というのは語られている方便より語られなかった事象によって形作られている』のではないかとも、考えさせらた。
確かにたとえ事実誤認されていたとしても、敢えて墓場まで持っていこうって話、結構あるよなぁ。

 

樅ノ木は残った(上) (新潮文庫)

樅ノ木は残った(上) (新潮文庫)

 
樅ノ木は残った(下) (新潮文庫)

樅ノ木は残った(下) (新潮文庫)

 
樅ノ木は残った(中) (新潮文庫)

樅ノ木は残った(中) (新潮文庫)