基本プロに全てお任せします。

「私素人なので基本プロに全てお任せします。今までにない斬新な案を色々見てみたいです!」というオーダーはマジ危険だ。うっかり本当に今までにない案を出すと「当社的にはちょっと」と全て拒否られる。この手の依頼の本当のオーダーは「既存の自社テイストをちょっと今風にして欲しい」だけなのだ。
つまり依頼者はノープラン(素人なので基本プロに全てお任せ)で他社製品も不勉強かつ自社製品しか知らない(から色々なアイデアを見てみたい)けど、結局チャンネルが少ないので既存の自社テイストから抜け出せません。でも流行りの売れ線テイストが少〜し入れば「今までと全然違う!」となるのです。
ノープランな依頼は受けないに越したことないんだけど、仕事ってのはそういう訳にもいかないんで「この依頼者は何を求めているか」を見極めることが仕事をスムーズに進めるコツです。実はそこから彼らを別のチャンネルに向かわせることも出来ます。時間はかかるけど、というか、時間をかけるのです。
常時ガッツリその仕事に向かっている人は見えている景色が一見さんのクライアントとは違うので、変えろと言われればドラスティックに変えることも出来るんですが、往々にして「実際はそんなことを望んでいる訳ではない」ってこと多いんですよね。
その手のクライアントの最初の依頼は「ちょっとだけスパイス」が欲しいだけで、違う味を食べたい訳ではない。
だから、そこでちょっとスパイス入れただけの「いいじゃない!」ってので信頼を得て、次の依頼も貰った時に、「ちょっとスパイス案」の横にチラチラ全然違う味を数種、絶えず見せ続けるんです。しばらくは「ちょっとスパイス案で決定」が続くんだけど、だんだん違う味案も見慣れてくる。
チャンネルを作っちゃうんです。で、ブレークスルーはある日突然くる。違う味案が通っちゃうんですねー。数年かかりますけどね。
全部が全部それで上手くいく訳ではないのですが、基本は相手へのリスペクトありきだと思います。専門職って「俺のやり方が正しい」って思い込みがちなんですが、そうでもないことも多い訳で。依頼者だって一定の信頼を顧客から得ている訳で、それは尊敬できる何かが必ずある。まず、そこを探す。

で、そういう(チャンネルが持てる)脈があるクライアントと、もういいやサイナラーなクソクライアントを見分ける方法って結構簡単です。えげつないけどギャラです。初回の依頼でいきなり値切ってくるところは十中八九クソです。