ジャーマン式

この、おそらくジャーマン式テノールホルン、或いはバリトンと思われる楽器、知人のご遺族より誰にも譲渡しないことを条件にお譲りいただいた遺品なのですが、隣町の修理工房で共振する部分などを診ていただきました。しかしながら、工房にある古今東西の楽器製作者が掲載されている資料を引っ張り出してみても、どこのメーカーのいつ頃の品なのかさっぱり判りません。ベルの部分に「WEYAND. WORMS A. RH」というかなり雑な打刻があるのですが、WORMS A. RH はヴォルムスというドイツの都市の名、WEYAND が製作者(社)名だと思われます。ロータリー・キーの戻りの具合が調節できる丁寧な仕様で、このような機構があるジャーマン式のテノールホルンは少なくとも第二次世界大戦前の品なのではないかというリペアマンさんの弁ですが、推測の域を出ず。こういうことに詳しい当人は今頃、彼岸でベートーヴェン本人に取材などしていて忙しそうなので答えていただける見込みもなく。
現実的に今でも演奏できる状態にまで戻せるかは疑問符なのですが、大事にしたいこともあり工房に預けて参りました。。

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