スパイラルおばあちゃんたち

先日、フィットネスのコースプールで泳いだ後、露天風呂に向かっていたら、途中にあるウォーキングプールでおばあちゃんたちが大声でくっちゃべってた。
おばあちゃんたちは輪になったプールでぐるぐる渦を巻きながら喋り続けている。鳴門もビックリのしゃべくりおばあちゃんスパイラルである。
当然、ご時世柄、プールでも近距離でくっちゃべるのは極力控える様にというルールなのだが、おばあちゃんたちの殆どは前から、フィットネスに泳ぎに来てるのではなく喋りに来ているのである。
喋りたくないおばあちゃんはコースプールで黙々と泳ぐか、そもそも、フィットネスプールには近付かないのだ。

でだ。

俺は、勿論最初は、このくっちゃべっているおばあちゃんたちを一瞬疎ましく思ったのだが、フィットネスのスタッフも折を見て注意の声掛けをしている様だし、だいたい、この天井が超高くて広ーいプール内でクラスターが起こるのであれば、もうフィットネスの何処にいてもダメだろうし(フィットネスでクラスターがおこるとすればロッカールームの長期滞在である)、ウチの一人暮らしの伯母(80代)は今春、誰にも会えない巣篭もり生活のせいで精神的に相当ストレスになったらしく、アルツハイマーが進行して要介護認定されてしまったことを考えると、この、くっちゃべりながら渦巻き行進しているおばあちゃんたちの方が、例え何かの不幸でクラスターが発生しておっ死んでしまっても、家に押し込められて鬱々とアルツハイマーになって朦朧としてしまうより、よっぽど幸福度の高い生活ではないか・・・そう考えると、スパイラルおばあちゃんたちを逆に、少し逞しく思い直した次第である。

注*俺の通うフィットネスのプールは日中は8割おばあちゃん、1割おじいちゃん、残り1割がその他である。