『わたしが推した神』

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かげはら史帆さんの新連載『わたしが推した神』がとてつもなく面白い。前著である『ベートーヴェン捏造』のシンドラーに続く、なんともどうしようもない妄想と錯綜の沼にはまり込んでいく人物が今回も主役に据えながら、バレエ・リュスとニジンスキーを取り巻く当時の喧騒を描いていて、もう何というか一文一文その先の展開がドキドキする。

ここのところ「イミテーション・ゲーム」「ヴィエナ・ブラッド」「バビロン・ベルリン」と錯乱と狂騒渦巻く20世紀前半のヨーロッパを描く映画・ドラマを観てきたせいか、この時代に起きていた事や人々の体感した世相に非常に興味がある。

さらにいうと、19世紀末から20世紀前半にかけて(ある意味、科学と二人三脚で)発達していったマジックやサーカスや音楽や演劇や舞踏や映画などの興行とキャバレーや性風俗と決して無縁ではなかった降霊術や超能力などの神秘主義〜陰謀論や極端な選民思想など政治活動、そういった危なっかしい感情の渦巻が理性を追い越して、世界大戦の悲劇を引き起こしてしまう、その流れに興味がある、というより、100年後の今と何か鏡合わせになっている気がするのだ。

いずれにしてもかげはらさんの連載、続きが楽しみです。

 

ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく
 

 

 

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