「俺の経験」でモノを語る人

駆け出しの頃、某出版社から装丁を依頼され営業A氏に「俺の経験では白い本が棚映えしてよく売れる。白い本で頼む」と言われ、白地中心の装丁案を複数を持って行くと営業B氏が現れ「俺の経験では白い本なんてすぐ汚れるし売れてるところ見たことない」と叱られました。その出版社は後に破産しました。

以来「俺の経験」でモノを語る人を信用していません。個々の経験って成功・失敗体験のフィルターがかかりやすいので新たな事案では思ったより役に立たないのです。あの時も営業部の集合知としての見解であればより有効な判断が出来たのではと思います。というかA氏とB氏は仲悪かっただけかも。