キマイラ

だめな21くんのところから封書が届いた。
中に入っていたのは奈良平城遷都1300年記念事業キャラクター「せんとくん」グッズ。あの奈良キャラ戦国時代の幕を開けたマッチョだ。

まだ彼に名前がなかった(募集中だった)頃、ボクは勝手に「鹿キューピー」と呼んで気に入っていた。独特な異形と隙のなさに感銘を覚えたのだ。このキマイラ感は明らかに神話的なのだ。
ケンタウルスやガネーシャのそれだ。只者ではない匂いがある。
ところが、そういうものは「ハイそうですか」とすぐには受け入れにくいのも事実。追ってきた二つのキャラクター(まんとくんとなーむくん)はその辺の隙を持たせた安心感やメジャー感が売りだ。
ところがいざキャラ合戦が始まると、あんなに不評だった鹿キューピーが頑張る頑張る。近頃はお笑いコンビが物まねしたり
話題になっただけに露出度が高く、みんなが見慣れたということもある。
そう、異形は慣れるのだ。エッフェル塔だって最初はパリの街に馴染まなかったのだ。
慣れるとその異形さが削ぎ落とされ、中身のクオリティがクローズアップされてくる。ブラッシュアップ度の高さが俄然力を持つ。そうなってくるとその造形美に独特な力を持つ原作者である仏師・籔内佐斗司の世界観の凄さが出てくるというものだ。
彼は川本喜八郎などと共に世界でも通用する人形を作る。
それにしてもだめなくん、ボクの好みがよくわかりましたね〜。