出会う

人と人が出会う場面が好きだ。人が出会うことによって新たな事が起きる。それが良い結果になることもあれば悪い結果になることもあると思うが、出会う事で起こる悲劇を畏れるがあまりに引き蘢るより、出会う事で起こる驚きと喜びを信じた方が生命力に溢れている。
水は絶えず流れていなければ腐ってしまう。人も同じだ。固定された価値観と閉ざされたコミュニティの中でカタルシスとノスタルジーを糧に生きれば劣化するだけの人生を送る事になる。人生の喜びも哀しみも慈しみも憎しみも怒りも楽しみも、人と人との出会いは、それがなくしては味わう事の出来ないドラマトゥルギーそのものである。そう、人は他者と出会うことで自分を作り上げる。
だから誰かが誰かに出会う場面を用意することが好きだ。全ての出会いが「思えばあれが全ての始まりだったんだよ」っていう歴史的瞬間だからだ。どんな些細な出会いでも、場合によっては時代を変える力を宿しているのだ。
人と人の間で生まれる混沌たるパルスの交錯を感じよ。予定調和なんて美しくない。価値が定まってないモノやコトの力強さを見よ。
そんなことを考えながら今日という日を暮らしている。