たとえ・・・

たとえ自分という意識体がただの化学反応で
宇宙の歴史の一瞬にも満たない
さほど珍しくもない無意味な現象だとしても
これを引き受けてるのはテメェ以外の何者でもないワケで。
 
これを死ぬまでのヒマツブシだなんていうヤツもいれば
この与えられた命を光り輝かせて生きたいという人もいれば
不幸な人生だと呪う者もいれば
重き荷を負うて遠き道を行くが如しという方もおられる。
 
アイツは生きてる資格がないなんて野次るヤツもいれば
生まれてきてくれて有り難うと感謝する人もいれば
あぁいう風に生きたいと羨む者もいれば
人間万事塞翁が馬であると説く方もおられる。
 
何だぁかんだぁ言っても親と子が入れ替われるワケじゃなし。
「あー私もわかるわかるー」ったって自分のフィルター通してなだけで。
自分が直面した現実はとなりの同僚とは違う現実なワケで。
クローンだろうがコピーだろうが世に出た瞬間には別の存在なワケで。
 
一人一人が一人一人の喜びと哀しみを背負って生きてるワケで
人生短かったか長かったかなんて自分では評価出来ないけど
テメェの代役なんて誰も務められないワケで。
テメェの人生を真似出来るヤツなんて誰もいないワケで。
 
たとえ自分という意識体がただの化学反応で
宇宙の歴史の一瞬にも満たない
さほど珍しくもない無意味な現象だとしても
そこんとこだけは胸張っていいんじゃないか?