隔世の感


それにしても先日の《ジャン=フランソワ・マドゥフと日本の仲間たち》は素晴らしかった。
ナチュラル トランペットやサックバットによるブラスアンサンブルを学術的な実演ではなくキチンと音楽として楽しめる時代は、1999年にバロック・ブラス・オブ・ロンドンが来日した頃から感じていたのだが、それはあくまで海外からやってくるものであった。
しかしそれから16年経って、マドゥフという素晴らしい奏者を中心にしてではあるが、それ以外は全て日本人奏者という布陣でコンサートが開かれたというのは感無量だった。
コンサートの構成も素晴らしく、いろいろな編成での音楽を楽しむことができた。ロケーションが教会ということもあり、程よい空間でオルガンをじっくり聴けるというのも良かった。
出演者の斎藤秀範さんが母校の大学吹奏楽部のトランペットのトレーナーをされていることもあり、大学生たちを誘って聴きにきたのだが、彼らの驚きたるや相当なものだった。何しろ自分たちの先生がナチュラルトランペットを吹く姿を初めてみたのだから(これからはBCJもちゃんと聴きにいこうね、と勧めときました)。
というか、自分たちの先生がナチュラルトランペット奏者(古楽奏者)でもあるということ自体が、隔世の感がある。