草枕の憂鬱

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
(夏目漱石《草枕》冒頭より)

一所懸命に真面目に生きようとすればするほど、信念を持った真面目な人ほど悩むし、色んなモノやヒトと衝突する。
デザインの仕事をしていると色んな立場の人と知り合うことが多く、色んな立場の色んな考え方に出会う。時にはお互いよく思ってないない人同士の話をそれぞれの側から聞くこともある。
それぞれの立場を尤もだと思うから一緒に仕事するわけだし、それをノラリクラリと「まぁまぁイイじゃんよ、テキトーに折り合いつけてさ、仲良くやろうよ」なんて簡単には言えないわけで。
また「いやー、でもお互い逆の立場から見るとそうとも言えないんじゃない?」みたいな見解では「あ〜otoshimonoさんはそうやってまた高みの見物なんだ」みたいに言われちゃうし。
別に誰からもに嫌われたくないとか好かれたいとか、そういう八方美人なわけではないけど、信念を持ってやっている人を応援したいし、多様性があってこそ可能性が生まれるのが人の世なわけで・・・うーん、難しい。
ただ、自分の立場のアドヴァンテージを得る手段として相手を侮辱したり卑下する言い分は受け入れにくい。