盲点

SNSや検索エンジンの盲点として、これらのシステムが「自分に都合の良い人脈や情報だけが吸い上げられ易い仕組み」であることに気づきにくい、ということがあります。
例えば、インド映画好きの仲間とfacebookで繋がり、インド映画関連のtwitterアカウントをフォローし、インド映画関連のハッシュタグが付いたInstagramを追い、何かといえばインド映画情報をgoogleで検索していると、まるで世の中全てがインド映画に湧いている様に見えてくるものです。が、実際はそれほど世の中が盛り上がっているわけではありません。趣味しかり、仕事しかり、政治や思想の信条しかり、です。
で、そういった限定された(と気づきにくい)コミュニティの中で、時々違った考えの人や情報が入り込むと「違和感(ノイズ)」を感じ、受け入れるより排除するディスコミュニケーションに向かい易いわけです。また、限定されたコミュニティの中で、それ以外のコミュニティに何を呼びかけても殆ど意味を成しません。SNS上での「選挙に行こう!」などの投稿がその典型かと思われます。SNSや検索エンジンの隆盛は、多様性を「見える化」しコミュニティ化してきたものの、それらの相互理解や享受や変容を阻害する働きを持っている、つまるところ、小さく閉鎖的なムラ社会が無数にパラレルワールドを作っている、と理解した方が良いのかなと、最近は考えています。