OTOSHIMONO

警察と名乗る男から電話がかかってきて「アナタ何か落としてませんか」と言うので新手の詐欺かと思ったらオイラが財布を落としていたことが判明。
相手を疑う前に己の頭を疑わねばなるまい。財布を落としたことにも気付かないとは、オイラの注意散漫力もいよいよスーパーサイヤ人レベルに達したらしい。
「身分証明できるモノを持って来てちょ」と言われたが、根こそぎ財布の中である。「ヤレヤレだぜ」と途方に暮れていると、使う予定もないのに取得したパスポートの存在を思い出す。世界最強の身分証明証が、世界を颯爽と跳びまわるのではなく近所の交番でエヘヘと照れながら財布を返してもらうために、ついにその実力を発動するのだ。
桐生くんレベルのダッシュ(車)で交番に向かうと先客がおり、どうやらジョギング中に現金を拾ったらしくあれこれ地図を指して話している。やがてその手続きも終わり「今日はあなたを入れて午前中だけで拾得物が4点、変な日です」と笑いながら話す警官に恐縮しながら書類を書き財布を無事受け取った。
拾って頂いた方のご親切には感謝しきれないくらいだし、警察の対応にも感謝しているが、弁当のレシートや観戦済みの野球チケットはよいとして、世界堂やドルチェ楽器のショップカードはおろか、カードと現金までキッチリ収まって戻って来る日本の安全性には驚く。
オレオレ詐欺の電話もあれば、財布落としましたよの電話もある。盗む神あれば拾う神あり。