文化と伝統

文化とは「記号や様式の集合体系」です。その広がりは「或る符号(形や音や行動)の背景にあるお約束事をどれだけ多くの人が共有しているか」で決まります。しかしそしてそれは非常に曖昧な人と人というシナプスで繋がるものであり、その関わり合いは常に変化し続けています。そしてとても儚いです。一瞬の後にロストテクノロジーと化し、共有できなくなります。
伝統とはその文化の中でも、或る特定のモノや行為の存在価値を高めるための「特盛の記号や様式のツギハギ」です。特徴としてはそれが長く存在してきた理由を歴史的価値に求めるのですが、常に現代を生きる人の都合で歴史はデコレイトされます。なので型だけが残って初源の思惑が分からない方が都合が良いのです。
そういった訳で私は文化や伝統の仕組みには興味は持つものの、指している中身については然程興味がありません。というか興味を持ったところで常に変わってしまうものなので、拘るほどに無理や矛盾が生じるからです(それが争いの原因にもなりますし)。