父とパソコン

実はボクの父親は仕事の関係でかなり昔からコンピュータを使っていた。
確かボクがまだ小学生の頃、ある日父親が奇妙な配列の五十音表を持って帰って来た。「これからはコンピュータの時代じゃけぇの」 IBMのロゴが隅に描かれていたそれは、今思えば実物大のキーボード配列表だったのだ。
「ケンスケおじさんのところの会社じゃのぉ」 ケンスケ叔父さんは当時日本IBMでシステムエンジニアの仕事をしていた。何しろ世の中にパソコンなんて言葉がやっと出始めた頃、子供のボクには「コンピュータに色々な命令をする仕事」と言われても何がなんだかサッパリわからなかった。
とにかく父の勤め先であった明治生命が各営業所にパソコンと営業職員専用の携帯端末を導入したのが昭和59年とあるので、その研修用の紙鍵盤だったのだろう。音楽の教科書の裏に付いていたようなヤツと思えばイイ。
どちらにしても「コンピュータを使って仕事をする父」をカッコイイと思ったのは確かで、当時「ウチのお父さんはマイコン(パソコンとの区別がサッパリついていなかった)使えるんじゃけぇ」と友だちにしきりに自慢していたのを思い出す。
時が下って、会社を辞めてからも弟の置いて行ったパソコンで年賀状などを作っていた。けど「テレビがあるからええ」と言ってネットには何故か興味が最近までなかった。
しかし最近はテレビでも「詳しくはインターネットでご覧下さい」などと平気で言うのでさすがに必要と感じたのだろう。先日帰省した弟と新しいパソコンを買いに行ったらしく「インターネットつなげるようにするけんの」と連絡をくれた。
そして先日、父親からウレシそうな第一弾のメールがとどいた。66歳にして初めての電子メールである。

開通したよ。これからもよろしく。
小泉首相や他の政治家を開いて見ても、みんなよく書いている。考え方も分かり、なかなか面白い。ほかにも開いたど奥がなんと深いね。
otoshimonoやemixのブログを見たよ。今の考え方や心情が分かり感動したよ。二人とも今のままで更に前進してほしい。
お母さんはお茶の世界で前進しているし、私はもうすぐ66才だけど、植木剪定の仕事はフリーでぼつぼつやろうと思っています。
その他にもまだやらなければならない事が多くある様で、私も前だけ見て進みます。まだまだ発展途上人。負けないよ。

なんか両親が近くに引っ越して来た様な感じでウレシい。
今月の半ば、父と母が遊びに上京する。今回は相撲観戦に歌舞伎とフルコース。せっかくだから、たまにはね。