工夫したところ(デザイン)

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外囿祥一郎さんのニューアルバム「THE REAL EUPHONIUM II, MOSAIQUE」が今月25日に発売になります。3月のドタバタな時期、会社に連泊しながらに作ったにしては、結構デザイン凝ってみました。なんたって構想1年だもの!!
前回の「THE REAL EUPHONIUM 」は邦人作品集でしたので「漆器」をイメージしたのに対して、今回は欧米の作品集ですのでロイヤルコペンハーゲンやマイセンなどの「磁器」をイメージしてみました。と、いうか1年前に「第2弾はそうしますっ!」と外囿さんやKOSEIレーベルの人に公言してしまったのです。
さぁ、言ってはみたものの、具体的にどうすれば印刷物を「磁器」に見せることが出来るのかなんて考えてもなかった。ロイコペやマイセンの青絵付の磁器なんて高価なもの、持ってないし。しょうがないからデパートに行ってショーケースの前に小一時間ほど座りこみましたよ。穴があくほど眺めちゃりました。店員さんにサゾカし変な客と思われたでしょう・・・だってスンゴイ形相で吟味しているのにチットも買うそぶりを見せないし、ウンウン唸ってるし。emixなんか他人のフリして離れてましたから。
だいたい分かってきたのでPHOTOSHOPを使って早速泊まり込みで実験。秘訣は絵付けされた文様の微妙なムラと焼成された時にできる「にじみ」。マイセンみたいな本当に優秀な磁器はこのにじみは少ないんだけど、この場合は「それらしく」見せることが大切なので敢えてにじみを多めに。このにじみに薄めの刷色を1色割り当て、絵付け本体の濃い青色と絡ませていく。そしてゴールドを上品にあしらってデザイン完成。

このデザイン、さらに隠し味があります。タイトルの上に描かれているユーフォニアムのイラスト、実はこれ外囿さんの使用楽器を実際に撮影し、それを画像処理でイラスト化したものです。これ外囿さんの提案。こだわりの人ですね〜。
そうそう、磁器をモチーフにしたのは単に欧米のユーフォニアム作品集だからというだけでなく、二重の意味があるんです。今でこそマイセンやロイコペは西洋食器の代名詞ですが、かつては日本の有田焼などの東洋の磁器の技術を見よう見まねの苦難の末に辿り着いた、西洋人の努力の結晶です。憧れにすぎなかった異文化を完全に自分の芸術として吸収し、さらに本家にも認めさせてしまう力・・・。これは外囿祥一郎の音楽の姿、そのものです。
それはどんな音楽にも息づいています。例えば今回のアルバム最後の曲「Song for Ina / Philip Sparke」。並のユーフォニアム吹きならビブラートをベロベロにかけて砂糖漬けのようにしてしまうであろうアンコールピースを、彼は窮めてストイックに始めます。するとどうでしょう、そこに立ち表れるのはスパークの「歌」そのものです。憂いさえ秘めた優しさです。フォルテが静寂に響き、ピアノがしっかりと心を包み込みます。
続きは4月25日。あなたのお家のスピーカーでお確かめください。

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参考に。第一作目です。