スタートライン

2回目の4 Bone Linesのジャケットデザイン・プレゼン。
「それでは20時にメンバー4人とお伺いしますんで」とkoseiレーベルのmiyaさんから電話。わぉ、みんな来ちゃうの?
今回は、前回のラフ・プレゼンでメンバーからいただいたプランを元に作成したものを、さらにデザイン・スタッフの意見を取り入れて自分で全面的にさらに手を入れ直し、練り上げた3案×2バージョン。タイポグラフィのそれぞれのフォルムには相当気を使った。それをプラ・ケースに入れ、さらにビニール・カバーに入れた。実際に店で売られる見え方にしたほうがイメージしやすいからだ。
20時過ぎ、御一行到着。挨拶もそこそこに本題に入る。村田さんの方でもいくつか資料を用意して来ており、それとも比較検討して行く。さらに足りないものはネットでジャケットを検索。
実際、アーティストがここまで真剣にジャケットの打ち合わせに取り組んでもらえる例はボクにはなく、並々ならぬ意欲を感じる。
黒金くんは控えめだけど*1、古賀さんも池上さんも率直な意見を頂けるので勉強になる。実際、専門に特化しすぎているとついつい見落としがちで、言われると新鮮な事って多い。
それにしても村田さんは本当によく知ってるし、反応速度が早い。このジャンルだとどうしてもかなわないデス。こちらはこちらで専門のボクも下を巻く。
いろいろ検討を重ね、ある1案に落ち着いた。
決まった案というのは、実はこの原案は先日レコーディングを聴きながら調整室でスケッチしたモノのだ。この事実をメンバーは知らないのだが、彼らの創作現場と同じ時間・同じ空間で生まれたものを、彼ら自身の手で選びとったのは偶然ではないと思う。そういう空気って宿るんです。デザインに。
新しい価値観を生み出すときって、すごく近くから凝視したり、遠くから目を細めてみたり、そこいらにポンと置いてボーッと見たり、賛同者に誉めてもらったり、他人に叩いてもらったりしないと、自分の力を通り越したモノって出来ない。
そうやって色んなものをくぐり抜けて出来上がったモノって、絶対後から自分でも「どうやってつくったんだろう。もう二度とつくれないぞ!」っていう次元のものになっている。松本大洋の「ピンポン」じゃないけど*2、高く飛ぶ鳥の背中に乗せてもらって、そこからさらにジャンプする感じ。須川さんや外囿さんと仕事をするときも同じ感覚になります。
さて、やっとスタートライン。ここから一気に駆け上がる。

*1:実力はスーパーサイヤ人級だけど、殆どルーキーってか、まだ大学4年生ですから。 ※2/5追記:黒金くんの芸大「首席」卒業が決まったようです。一番だよ、一番。バストロで首席とは快挙! とにかくおめでとう! バストロ界の未来は明るいぜ!

*2:第45話の冒頭。インハイ県大会準決勝戦でペコと風間が対決した際交わされるペコの台詞。「でも アンタ高い所飛ぶ選手だかんよ、」 「うんと高く飛ぶ選手だかんね。」 「おいらも背中に乗っけてもらって・・・」 「飛ぶ。」