スタイル

さて昨日のSFCの練習後、みんなとの晩ご飯をキャンセルさせていただいて静岡へ直行しました。本日朝から義父の23回忌の法要なのであります。
ボクの実家は両親とも浄土真宗*1です。一方emixの方は日蓮宗なので法要のスタイルが随分違います。
これが結構面白い。
浄土真宗ってお経の書かれた本が出席者全員に配られて、お坊さんの先導でそれを読んだり唱えたりしながら法要が進むんだけど、日蓮宗はお坊さんが楽器やお経がいっぱい乗ってる台の上に座ってジャカジャカ演奏しながらお経を唱えるのをみんなで聴く感じ。
日蓮宗の法要の解説(多少秋山紀夫先生風味):まずデカイお座布団の上に乗っかってる鐘をゴ〜ン・ゴ〜ン・ゴ〜〜〜〜ンンンンなんて鳴らして、倍音が消えかかった頃に静々とお経を唱え始めます。だんだんと長いクレッシェンドをして盛り上がってくると再び鐘が入ります。するとここから木魚も加わり明確なリズムが四分音符刻みで打ち込まれ、言葉のフレージングと相まって複雑な抑揚を生み出します。やがてそれがクライマックスを迎えるとリタルダンドし、再びアカペラの部分を挟んで今度は裏拍から八分の刻みも所々入ったリズムバリエーションを木魚で展開していきます。表拍が裏拍に、裏拍が表拍に、なんだか「カルミナ・ブラーナ」みたいです。そして坊さんの声から出るノイズと倍音が絡み合った独特な歌声がリズムと共に見事に融合し、力強い鐘がブレーキを徐々にかけ、最後にゴ〜ン・ゴ〜ン・ゴ〜〜〜〜ンンンンとやって、鐘の響きが消え入ったところで終了となります。ハイ、ご苦労様でした。
変な言い方ですが、浄土真宗の法要はプロテスタントの日曜礼拝みたいで、日蓮宗はカトリックのミサみたいなんです。どっちもお焼香タイムを途中で挟むんですけどね。民衆を救うべく説かれた浄土真宗やプロテスタント、仏や神との対話を国家論まで昇華させて論じる日蓮宗やカトリック。宗派の成立過程の相似が、礼拝のスタイルの相似にもつながっていくなんて面白いなぁ、と思いながら本堂に佇んでおりました。
日本には他にも沢山の宗派の仏教があって、いろんなスタイルの法要があると聞きます。お坊さんが歌いながら回るのとか、みんなで巨大なお数珠を回すやつとか。
自分の家族以外の法事に出かけることなんてまずないですが、機会があれば見てみたいなぁ、なんて不謹慎?

*1:広島市内の浄土真宗は安芸門徒と呼ばれ、ちょっと特殊なんだそうです。