この世で最も非生産的な暇の潰し方

〜の一つに間違いなく挙げられるのが、釣り堀で遊ぶことである。まず、釣れても釣れなくてもいい。だって釣った魚を持って帰る気がサラサラ無いのだから*1。いくら遊びと言っても狩猟の疑似体験である。もう少しギラギラしてても良いではないか。でも飼う気もない鯉や金魚なんてこっちにとってはどうでも良いのだ。これがスポーツなら勝ち負けとかあるけど、生け簀に泳ぐ魚に勝ったところで何になろう。
練り餌をカエシ*2のない針に付け、鯉や金魚がウヨウヨ泳いでいる中にポチャンと放り込むだけだから駆け引きも何もあったもんじゃない。上手く行けば釣れるし、上手く行かなければもう一度釣り竿を上げてやり直すだけ。そうやって小一時間ほどアンニュイな時間を過ごす。無駄もいいとこである。
今の世の中、時間を無駄遣いするほど贅沢なことはない。600円ほど払って買う無駄な時間。実際消費しているといったら鹿の糞大の練り餌だけだ。いくら何でもこれは20円もしないだろう。しかもこれを餌に魚を引っ掛けて遊んでるだけで、結局は鯉や金魚にくれてやっている。魚たちにしてみれば迷惑な話だが、命を取られる訳ではない。こっちは座ってるのだから運動にもならない。手元には何も残らない。
大人の世界では仕事でも勉強でも遊びでも成果を求められるのが普通だ。実績がないと、仕事も勉強も遊びも他人が評価してくれない。そう、他者に評価されることによって何事も成り立っている。それはそれで楽しいが、いつも時間的な制約がついて回るし、疲れもする。
「釣れても釣れなくてもいい」という価値観を共有できる世の中って、この先とても大事なことになるかもしれない。
ってことも考えずに、まずは釣り糸を垂れてみてはいかがだろうか。
フィッシングセンター せきね

*1:いや、持って帰ってもいいんですよ。

*2:釣り針には魚が逃げないように針の先に引っ掛かりが付いてます。