夕暮れ時に打ち合わせなどで出かけると、たとえそこがビジネス街であっても生活の匂いが感じられてよい。仕事帰りに買い物をするお母さん、ちょいと同僚と飲みに出かけるオッサン、習い事から帰ってくる子供たち・・・。人間が仕事ではなく生活をしている。今日も一日無事に終わった安堵感に満ちている。電車の中だって賑やかで、朝みたいにみんな黙りこくって懸命につり革にしがみついてるなんてこともない。日は落ちてるのに場は明るい。
デザイナーってのは打ち合わせがなければ朝から晩まで仕事場ガリガリとデザインをしているので、ともすればそういう時間を全てスルーしてしまう。家に帰るのはいつも日付が変わってからだ。
望んで今の仕事をしているので、そういう夕暮れの生活を楽しめることなんて無いんだけど、だからこそ「夕暮れ」をお裾分けしてもらったときの嬉しさといったらないのだ。
