Brass Cats

ブラスアンサンブル、とりわけ10重奏の世界に足を突っ込んでいると、必ず避けては通れないナンバーがありまして、その多くはフィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルのレパートリーなのですが、その中でもブラスアンサンブルのみならず、最近はブリティッシュ・ブラスバンド版からトロンボーン四重奏、はたまたサックスのラージ・アンサンブルでも演奏される曲にクリス・ヘイゼルのBrass Catsのシリーズがあります。金管アンサンブル連中では「ねこ」の通り名で知られる一連の作品です。
『三匹の猫(Three Brass Cats)』『もう一匹の猫(Another Cat)』『もう3匹の猫(Three More Cats)』。前二つはフィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルのメンバーによる委嘱、最後のその後継団体にあたるロンドンブラスによる委嘱です。
合計していただけると分かりますが、全部で7匹おります。Mr. Jums/Black Sam/Borage(ここまでが三匹の猫)、Kraken(もう3匹の猫)、Flora/Tubby Mousetrouser/Homepride(もう3匹の猫)。全てヘイゼルの歴代(と言っても重なってるのもいる)の飼い猫たちです。だいたいが元はノラ猫だったそうです。ヘイゼル、猫おじさんです。猫大好きヘイゼル〜♪って愛情もって書かれたこれらの音楽たちは、どれも親しみやすいメロディとチャーミングなリズムを持ち、発表されてかなり経つ作品ですが人気は上がる一方ですし、人気はブラスアンサンブル好きにとどまりません。
ボクは昔この曲が本当に好きで好きで、あまりにも好き過ぎて、曲のイメージを4枚組のイラストにして、当時好きだった女の子にプレゼントしてしまうという、とてもイタい行動をとってしまったくらい好きだったのです。
そんなボクもブラスアンサンブルのキャリアだけは一丁前に長くなってますから、これらの曲はプレゼント事件後も幾度となく演奏してきました。しかし、最近ちまたでこの曲が再び盛り上がってるにも関わらずご無沙汰でしたので、本日のSFCの練習で久しぶりに演奏させていただいた次第です。メンバーの皆さん、ワガママ聞いてくれてありがとう。
いや、本当にワガママなんです。なんせ
「7曲ぶっ通しで演奏したい。」
という普通やらないアプローチですから。全部でひとつの組曲じゃないし。ツカレター。でも楽しかったねー。
 
で、今もこの曲大好きかというと・・・昔熱を上げ過ぎたせいか、今はとても冷静な感じです。どちらかと言うと一歩引いてるくらい。Black Samなんか、イイ曲ですけどね。恋なんてそんなもんさ。
 
さて、本日はそれ以外にも(以下、敬称略)、ヴァーツラフ・ネリベルの『NUMISMATA』、中川英二郎の『鑪』『鍔音』『御伽草子』、石川亮太の『極楽鳥』、三澤慶の『飛天』emixアレンジシリーズから『主よ、人の望みの喜びよ(ヨハン・セバスチャン・バッハ)』『花のワルツ(ピョートル・チャイコフスキー)』『そりすべり(リロイ・アンダーソン)』、高嶋圭子の『古都三景より《鎌倉》』*1を練習しました。あっあと、mochicoが持って来たトロンボーン四重奏版の「ねこ」も。吹き過ぎ。

ブラス・キャッツ:クリス・ヘイゼルのブラス音楽 Brass Cats

ブラス・キャッツ:クリス・ヘイゼルのブラス音楽 Brass Cats

ヘイゼルの作品集です。SFCでも過去取り上げた曲がいくつか入ってます。あ、Star Gazingが入ってないな。SFCの勝ち。

*1:これはトロンボーン四重奏です。