秋の気配

秋きぬと 目にはさやか に見えねども
風の音にぞ おどろかれぬる

とは秋田県の藤原敏行さんからの古いお便りですが、立秋を過ぎると夏真っ盛りとはいえ、どこか秋の気配がする訳です。
《秋の気配》と言えばオフコースの名曲です。「あれがあなたの好きな場所/港が見下ろせる小高い公園*1」と小田和正さんも歌っているように、海は過ぎ去りし良き思い出の記号として登場します。

先日の外房旅行で夕刻に九十九里の片貝ビーチに着きました。海の家の営業時間も過ぎ、海水浴客が帰ったビーチは、入れ替わりに地元のサーファーたちで賑わっていましたが、夕暮れの波打ち際と空は、夏の落とし物と共に甘く切なくファインダーに収まっていました。

これは甘酸っぱいですねー。昼間のカーラジオで「私にはスタートだったぁ〜、貴方にはゴールでもぉぉ〜」ってこれまたオッサンPOPSがご機嫌に流れてましたが*2、2009年版の、まさにそんな感じ。

これなんかレンタル・フォトのライブラリーにいかにもありそう。『ビーチ:夏の思い出編』とかタイトルついて。


人がいなくなった海の家は、そんな思い出の一つもないボクにも「あの夏、海の家で一緒にバイトしたエリちゃん、どうしてるかなぁ」と勝手な妄想過去が甦ります。

帰ろっか。

*1:このモデルは「横浜港の見える丘公園」だそうです

*2:「何も言えなくて…夏」JAYWALK(1991年)