村田ゼミ

Twelve-Sense 1st Concertを聴きに座・高円寺へ。
このトロンボーン12重奏団は3つのトロンボーン・クヮルテットの複合ユニットではあるけども、音楽監修の村田陽一さん以外は20代の若手奏者で、ソリストとして招かれた箱山師匠*1と桑田さん*2の演奏曲も村田さんアレンジによるダヴィットとライヒェのコンチェルト*3だし、さらに満員の聴衆も在京オケのトロンボーン奏者や音大生で大部分が占められているのではないかと思われ、さながら《若手プロトロンボーン奏者のための村田ゼミ発表会〜2人のソロ奏者を招いて》といった感じでした。
そしてさらに、村田さんの「若手と共に学ぶ」という真摯な気持ちが舞台からとても感じられました。「学ぶ」ということにおいて、村田さんはそんじょそこらのルーキーより貪欲です。このバイタリティが彼の個性とキャリアを支えているのだなと、ちょっと感動しました。
昨今のトロンボーン業界は『学ぶ』『後進を育てる』ということに大変熱心です。個人にしろアンサンブルにしろ団体にしろ、プロアマ問わずの何かしらのワークショップやコンテストを開き、参加し、切磋琢磨しています。
これはソロワークとチームワークを併せ持つ、この楽器ならではの性質から来るものであるとも思われます。
個性を出しつつも「他人は他人」とならないところが、この楽器とプレイヤーの良いところだと思います。

*1:箱山芳樹さん。新日本フィルハーモニー交響楽団首席トロンボーン奏者。ボクの大学時代の恩師。

*2:桑田晃さん。読売日本交響楽団首席トロンボーン奏者。

*3:音大生やオケのオーディションを受ける人には避けて通れない曲