「お城好きですねー。やっぱ姫路城が一番です。世界遺産だし」って人が急増してます。テレビでも隠れ城マニアなる芸能人がカミングアウトし始めまして、小学5年で城郭の面白さに目覚めて以来四半世紀以上にわたって城郭オタクをやってるボクには、ここんところのブームは戸惑いを見せるばかりです。これによって現在天守が建ってない城郭に、復元なり復興なりの天守を建てるという一見ロマンがあるものの、実に馬鹿げた目論みをする自治体などがまた現れないことを願います。
再三この日記で書いてますが、上に乗っかっている建物*1、あんなものは飾りです。選地*2と縄張*3と普請*4こそ城郭の本体です。現に戦国時代は建物部分はどんどん解体して別の城郭に移動させています*5。そして城郭本体が破却されていたとしても、それも歴史です。残った遺構を調査し、在りし日を想像し、思いを巡らすことこそ城郭観賞の醍醐味であります。
というわけで、最近こういう本の装丁をしました。戦前のモノクロ写真を彩色した城郭の絵葉書を集めた本です。第二次世界大戦の空爆で焼失した天守や櫓や御殿の在りし日の姿などを偲ぶことが出来ます。名古屋城の壮大さなどは圧巻です。ないからこそ、よいのです。
- 作者: 西ヶ谷恭弘,後藤仁公
- 出版社/メーカー: 東京堂出版
- 発売日: 2009/09
- メディア: 大型本
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