デザイン小夜曲

ここのところ事務所から帰宅後は、食事を手早く済ませて就寝まで、繊細なタイプの仕事をしている。
近頃は事務所にいると、打ち合わせとメールのやり取りと事務作業に追われ、瞬発力のみでない細やかな感受性を要求されるタイプの仕事に没頭出来ないからだ。
今は巨瀬励起さんのピアノ・リサイタルの仕事。リスト編曲版のベルリオーズ「幻想交響曲」全楽章を弾くという、面白い演奏会。この譜面は、初演を聴いて感激した若かりしリストが、ベルリオーズに直接スコアを見せてもらって編曲したもので、オーケストラ版スコアの出版より早く演奏・出版された経緯があり、より初演に近い内容なのだそうだ。
ほかにも、有名なエチュードを書き、わずか26歳で急逝したブルグミュラーのソナタ、ショパン*1のバラード4番という、19世紀初頭の若いピアノ作家による感受性豊かなプログラム。
そのロマン溢れる息吹と時代性を、どの様なビジュアルで表現することにしたか、は近日公開。
これが終わると、次の夜なべ仕事は外囿さんの新作CDに取り掛かる予定。

*1:彼も39歳でこの世を去っている