新しいシェフ

夕刻、パイパーズのsatoさんと池袋で落ち合って打ち合わせをした後、東京佼成ウインドオーケストラの第104回定期演奏会へ。ポール・メイエが首席指揮者に就任して初の定期。
この演奏会はボクにとって、いく先々で関係者との挨拶を飛び交わせる、半分以上仕事モード演奏会なのであるが、前プロと中プロが大好きな曲でちょっと嬉しい。内容はモーツァルトのグランパルティータ、ヒンデミットの交響曲ロ調、リヒャルト・シュトラウスのティルという、フランス人なのにドイツ料理。さて、どう料理するか。
結果からいうと、なかなか楽しく興味深い演奏会だった。ポール・メイエは指揮者というより、世界的なクラリネット奏者という認識が皆も強いだろうし、実際そうなのだけど、やはり根底に持っている音楽は良い意味でモダンで、ともするとオドロオドロしくなるプログラムを実に軽やかに演奏した。グランパルティータはさすがクラリネット吹きらしい音楽づくりを発揮して昨今のTKWOの室内楽演奏の中では結構な好演だったし、ヒンデミットは低音を過剰に効かせず*1、かといって高音部が五月蝿くもなくクリアなサウンドでさらっと演奏した。この「さらっと」が「音楽が待てない」と見るか「フランスっぽい」と見るかは人によるだろうが、今までのTKWOと全く違う次元の、室内楽的かつ、昨今の世界のクラシカル業界の潮流に乗った小気味良い響きと音楽だったことは確かだ。
これからこのカップリングがどのような音楽を産み出していくか興味深いところだ。
あとサウンドが変わってきた原因として、団員の若返りもあるだろう。若手の演奏スタイルがベテランの演奏にも良い影響を与えつつある事を目の当たりにすることが出来、こちらも興味深かった。
ともかく、演奏者の方々はじめ関係各位の皆様、お疲れ様でございました!

*1:低音ブリンブリンの演奏、吹奏楽にありがちですね。皆さん映画のサントラ好きなんですかね。