君はどうありたいかと問われて、学者はやがて語り始めた

水素と酸素の単純な化合
大気の粒子と空気の対流
大地と海面の隆起と気温
太陽と地球の引力の狭間
 
風に身を任せて姿を変え
時空を超えて地球を巡り
光も闇も纏いて命を覆い
現れては消える刹那の夢
 
あの雲のように
 
(カバタタケシ著作集第三巻『トマトジュース・ラプソディ』より)