きのこ文学名作選

きのこ文学名作選

きのこ文学名作選

  • 作者: 飯沢耕太郎,萩原朔太郎,夢野久作,加賀乙彦,村田喜代子,八木重吉,泉鏡花,北杜夫,中井英夫,正岡子規,高樹のぶ子,宮澤賢治,南木佳士,長谷川龍生,いしいしんじ
  • 出版社/メーカー: 港の人
  • 発売日: 2010/11/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 7人 クリック: 155回
  • この商品を含むブログ (29件) を見る
と云えば、ブックデザインの奇才・祖父江慎さん率いるコズフィッシュが手がけたエディトリアルデザインと印刷技術の限界に挑戦した凄まじい本であるが、中身に関してはさほど興味がなくて、買ってから数ヶ月ほっぽらかしにしていたのであるが、最近になって読みはじめた。
いや、この本、もはや通常の意味での読み易さは破綻している。デザイナーの立場から見た論評は、もっと上手い事言う人が沢山おられるだろうから、また機会があれば触れるとして、内容が実に面白い。編者の飯島耕太郎さん(amazonの著者欄の最初の方)よく存じ上げていないんだけれども、「きのこ」という、文学という畑に於いては一見何の関わりもなさそうな、しかし、なんともエクスタシーのあるモティーフを軸にしてバランバランに進んでいくプランが心地よい。しかもその作家ラインナップたるや、上記の通りで時空を振り回される様な感覚。やっと泉鏡花の所まで来た。
新書判も出ているが、ここは祖父江さんの罠にはまりながら、ウンウンと面倒クサく読むことにしよう。