young winds


楽団のご招待を受けましてブリッツ・ブラス第8回定期演奏会を聴きに行って参りました。今回初めてデザインのお仕事をご一緒させていただきましたが、やはり若い楽団らしい爽やかな印象を持つバンドです。
今回はMobile Windsと題して中小編成バンドに向けた啓蒙の意味もありました*1が、管楽器の数が少ない編成だからこそのサウンドの抜けの良さもあり、作家のオーケストレーションが上手ければ厚みも十分あり、音楽性の幅も出るのだなぁと改めて思いました。これはフェネル博士のウィンドアンサンブル理論に通じるものもありますが、音大生向けの個人演奏者レベルが高い話ではなくても、そういった配慮のされた楽曲を取り上げれば中小編成のスクールバンドでも実現可能なのではないかと思います。こんな意味からも本日取り上げられた楽曲、特に三浦秀秋さんの《Variation of 4:00 a.m.》と天野正道さんの《ウィンクルム=絆(小説「アインザッツ」のテーマ)》は秀逸だったのではないかと思います。
また、高橋宏樹さんの《The Last Country (吹奏楽版) 》も國末くんの十八番としてこれから定着していくでしょうし、福田洋介さんの《ノガケ侍 〜 吹奏楽のためのファンタジア》の勇壮さは新しい日本のバンドのレパートリーとなっていくでしょう。委嘱初演をした南相馬のジュニアバンドの子供達が今回招待されていて、舞台上の福田さんや指揮者の松元宏康さんと会場の子供たちで手を振り合っていたのが印象的でした。
会場は吹奏楽部に所属していると思われる中高生が多く見られました。演奏家も若手が中心で丁寧なサウンド作りをするバンドだと思いますので、彼らも親しみ易いと思いますし演奏も参考になるのではないでしょうか。
ボクみたいなヘヴィーリスナー的希望をひとつ挙げるとすると、持ち味であるきめ細かいアンサンブルにさらに磨きをかけ、サウンドに音楽的な爆発・推進力を伴った個性を身につけ、今回のように常に新しいテーマ性を持ったコンサートを続けていけば、先行する老舗のプロ吹奏楽団を脅かすことだって夢ではないのではないかと思います。
でも『若い』というのは、それだけで今しかない財産です。もっともっと沢山聴衆の前に出て行ってアピールして良いと思いますヨ。

*1:コンセプト段階で少しボクも噛んでました