初生落語


プラザウエスト寄席Vol.4「林家たい平三遊亭白鳥 二人会」》に行ってまいりました! 
今回落語公演のデザインを初めて制作させていただきまして、似顔絵イラストも描かせて頂きました。たい平さんは武蔵野美術大学卒業だし、白鳥さんも素敵なイラストを描かれるので恐縮だったのですが、ご両人とも喜んでいただけたようで何よりです。さて、ボクは一時期古典落語にはまっており、必死で演目を覚えようと通勤中にiPodで聴いていたことがありますが、最近は通勤もなくスタジオに籠りっきりなのでなかなか聴けません。だって落語をかけながら仕事をしていると可笑しくて手が停まってしまいますからね。
前座の演目ですが、前半は林家木りんさんの初々しい「初天神」、後半は林家あずみさんによる可愛らしくも粋な三味線漫談でした。
さて白鳥さんは創作落語を得意とし、たい平さんは古典落語を得意としています。お二人ともグイグイと人を話に惹き込んでいくストーリーテリングは圧倒的で、今もっとも実力のある噺家さんとの評判通りの落語。白鳥さんは潰れかけの呑み屋の老夫婦が銀座の一流レストランでアヤフヤに得た接客サービスを頓珍漢に解釈して展開する創作落語を熱演、たい平さんは「二番煎じ」を高度な描写力と間の取り方で安定した演技でした。
落語とクラシック音楽はとても似ています。古典落語は云わば有名作曲家による作品を高度な技芸で演奏するのと似てますし、創作落語はコンテンポラリの自作自演に似ています。創作落語は温故知新ながら何処に向かうのか分からない展開と新しい話題を巧みに取り込み聴衆を引っ張り、古典落語は聴く方も分かっている筋を展開の組み立て方とアーティスト独自の間と解釈で唸らせます、いや笑わせます。音楽家に落語の愛好者が多いのはそのせいだと思います。
それに落語も音楽もライヴの良さというものは格別です。開場前のお囃子から幕が下りるまでの場の雰囲気も含めて1セットで味わう楽しさはヤミツキになりそうです。
今度は寄席にも挑戦してみようと思います。

落語登場人物辞典

落語登場人物辞典

随分前に装丁させていただいた本です。イラストはコジマサエさん。