仕掛け

デザイナーというのは仕掛けをつくる仕事だと思ってるのですが、その仕掛けをみんなが使ってくれて、知らないうちに誰かと誰かが感動の再会をしてくれたり、新しく繋がってくれたりするととても嬉しい気持ちになります。それによってさらに新たな仕掛けが生まれたりして世界が広がっていくのを見ると、自分のことでなくても拍手喝采したくなるというか「世の中捨てたもんじゃねぇぞ」って思うんです。
世の中全て好意的に物事を見てくれる訳じゃなくて、悪態ついたり邪魔したりすることも含めて全てコミュニケーションなのかな、と最近は思います。ポジティヴシンキングばかりが大事な訳ではないし、シンプルで筋が通った理屈こそが美しい訳でも有効な訳でもない。正義とか真実などは、立場や切り取る角度と時間で万華鏡のごとく違う顔を見せます。しかしそれはすべて人と人が出会うからこそです。そうやって人が出会って動くからこそ、人は悩むのだし、生きていけるのだと思います。不運な出会いもあると思う一方、不都合を乗り越えるのも人と人の出会いであると思います。
だから人が出会う仕掛けを作るという仕事に使命を感じます。