渋沢栄一を知る事典

最近装丁させていただいたお仕事から一冊。
何かの折につけ、突出して何かの云われになっている著名人っていらっしゃいますよね。日本武尊、聖徳太子、弘法大師、菅原道真、平清盛、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康くらいまでは嘘か誠か判らん伝説めいた話も多いですが、幕末&明治維新の方になると具体的なエピソードが多いです。坂本龍馬、西郷隆盛、明治天皇、伊藤博文、福沢諭吉、大隈重信などは何を食って上手いと仰ったので老舗の名菓になっただの、この建物のこの部屋で演説しただの、ここで馬を降りて歩いただの、この看板を揮毫しただの・・・。その中、膨大なエピソードがあるにも関わらず、その膨大さゆえに実体が掴みにくい人が渋沢栄一です。
渋沢栄一は豪農から身を起こして一橋家の家臣から幕臣となり、パリで学び、維新後は政府の要職に就いた後に実業界に転じ、日本の礎となる企業の起業(実に500社以上!)に関わったという、とんでもない巨人ですが、財閥を作らなかったため、没後は表立ってその名を残すことが殆どありませんでしたが、ちょっと何かの云われを辿るとかなりの頻度で「渋沢栄一」に出会います。
この本は、そんな渋沢翁の仕事や生涯を網羅した興味深い本です。
混迷する今の日本の状況を脱却するためにも、激動の時代から学んで経済立国の礎を築いた翁のビジョンやアイデアのノウハウが必要な時かもしれません。

渋沢栄一を知る事典

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