人の縁

とあるアーティストの方に使用許諾の件でお問い合わせをさせていただいたところ、逆にとても有り難いご提案を頂き、こんなチャンスはメッタにないと思って思い切ってお願いしてしまいました。
これも全て、元はといえば人の縁です。別の方を介してこのアーティストさんとお仕事をご一緒させて頂いたのが数年前。お会いしてお話をお伺いしたり、彼の普段の言動を知るにつけ、とても尊敬の出来る方で、こういった方々と何か新しい価値の提案をご一緒出来るというのは有り難い事だと本当に思っています。
人の縁というのは色んな毛糸で長い長いマフラーを編む様なもんで、一緒にお仕事させていただいたり、同じ思いを共有したりして、そこで繋がった縁が新たな模様(価値)を生み出し、次の模様の礎となるような、連続です。そこに必要なのは最終的にはお金ではなくて、信頼関係です。
もちろん我々大人は生活していくためにお金は必要ですし、モノにしろコトにしろ、それに見合う対価を支払うことで今の人の世は成り立っています。
でも考えてみればお金というのは信頼関係でしかありません。あの福澤翁が印刷された紙っぺらを「一万円」という価値がある紙幣と皆が信じて思いを共有しなければ、いくら沢山刷られてもお金としては機能しません。さらには貨幣としての一万円というのはこれこれこういう価値があって、モノやサービスを交換したり、集めて保管出来るもんなんですよって約束事をさらに大前提としてミンナが共有しているから、一万円として成り立ちます。
だから、あの紙っぺらが数枚あれば現代の科学技術を結集したスマートフォンが手に入ってしまいます。紙と精密機械の固まりが同じ価値なんて、人間同士の信頼関係がなければ全く成り立ちません。ローマ法王だってアメリカ大統領だってアルカイダの首領だって北の将軍様だってイタリアのマフィアだってノーベル賞受賞者だって原発推進派だって反対派だってボクだってアナタだって、お金に関しては同じ価値観なんです。人間って面白いですね。
あぁ、話が逸れた。
つまり、人の世の中というのは何よりも先にお互いの信頼関係がないと全く成り立たないし、それを紡いでいくのが人の縁だ、ということです。