失言狩人

狩人が鬼の首を取ったと雄叫びを上げた途端
怯え始める
別の狩人が草影に身を潜めていないだろうか
矢をつがえた先は自分なのではないだろうか
矢をつがえた人は自分の友ではないだろうか
疑念が信頼を凌駕し始める
世界を正したはずなのに愛する人が敵に映る
こうして
あらゆる笑顔がやがて
この世から
消える