エロ本談義

会社員をやっている友人に「ブックデザイナーっていうのは何の本を手がけたら一番偉いの?」って聞かれて「うーん、そういうのないんだけどなぁ」と返すと「例えば辞書とか教科書とか作る人が一番偉くて、駆け出しの頃はエロ本作らさるとかさ」ってさらに突っ込まれた。
で、「そういうの本当にないんだよ。しかもさ、エロ本って難しいんだぜ。単に裸だとかセックスしてる写真とか載ってるからエロいわけじゃなくて、エロく見える写真の撮り方とかレイアウトとか文字組みとか、本でエロく見せる技術ってホント大変なんだよ。だからエロ本だって誰でもデザインを上手にできるわけないし、その道の巨匠っているし、尊敬されてるし、辞書作ってる方がエロ本作ってるより偉いとかないんだよ〜!」って答えたら「エッ! そんなに明るい時間から興奮してエロ話すんなよ〜」って慌てられまして。
彼はかなり大きな会社組織でそれなりに重要な仕事をしているんだけど、そうか、会社っていうのは個人の実力(が前提にはあると思うけど)より組織内の役職とか序列とかまずが大事で、その中でいかに影響力と序列の高い位置に進めるかが、会社員としての価値や収入に繋がってくるから、ブックデザイナーも何を手がけたらどのくらい偉い、みたいなステップや序列があるんだと思われてしまうのかなぁ、と思った次第。
あと、ボクは猥談をしているつもりが全くなかったのに「エロ本をエロく作るのは難しい」という話題自体が彼にとって猥談のトピックに聞こえたというのも興味深いなぁと。
これは彼の価値観と僕の価値観のどっちがどうという話ではない。それぞれの世界で当然だと思っていることが違うだけの話だから。だから時々こうやって色んなことをしている友人と会って話をするのは、色んな気づきをもたらしてくれるので、悪くない。