力の指輪

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LOTRの『力の指輪』を今更ながら全8話観た。はっきりいうとこれだけで映画版三部作くらいの長さがある。しかもこれが第1シリーズに過ぎず、あと4作ある構成(シーズン2は2025年以降)だというのだかたら、俺が生きている間に果たして『あやめ野の凶事』(実質的なLOTRの出発点)にまで至れるのか。

今更ながらというのは、20代の頃より幾度となくトールキンのLOTRとホビットを読み返しては「追補編」と「中つ国の地図」で確認し、ヨハン・デ・メイの交響曲第一番「指輪物語」を愛し(演奏もし)、映画も何度も観返してきた(ただ、「シルマリルの物語」や「終わらざりし物語」などには辿り着けていない。追補編と地図だけでもお腹いっぱいだからである)くせに、昨年の配信開始と同時に観なかったのだ。どうかしていたのだ。

結果からすると、まぁ原作との微妙な描写の齟齬は置いておいて、ストーリー運びから謎が謎を呼ぶ展開など大変大変大変大変面白い。俺は面白いのだが、皆は面白いのだろうか。多分映画を全部見ている人でも原作周りを熟読していないと意味が分からない部分も多いのではないか。ヴァラールとか言いながら始まっちゃってナンダコレってならないかしら。ハーフットってホビットじゃないの?ヌーメノールって何よ?ってならないのかしら。LOTRが擬似神話文化としてすっかり受容されている欧米と違って異世界系コンテンツの設定の元ネタくらいでしかない日本で熱狂されることはまずないだろうなぁ。俺は大熱狂してるけど。

そこはおいておいてですね、映画版にも登場するガラドリエル(実質の主役/モーフィッド・クラーク)とエルロンド(ロバート・アラマヨ)がね、マジで三部作のケイト・ブランシェットとヒューゴ・ウィーヴィングの若い頃って感じで良いんです。特にガラドリエルの眼(目線)がね、地続きなんですよ。俳優ってすげぇなぁ。
登場人物の全てが愛おしく、LOTRを愛する人にとっては「あの伝説の偉人に会えた」感たっぷりの本作。最終的には超お勧めですが、せめて三部作は先に観ておきましょう。出来るだけ『ホビット』も観よう!ってこれが最難関のハードルだよな。