修行のように

プロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」には《タイボルトの死》という曲があります。

動画を再生してもらいながら読んでいただけると有り難いです。
まぁそのスジの方々にも大変人気のある曲なのです。オーケストラ曲としては勿論のこと、ソースであるバレエの中でも屈指の見せ場でありまして、大変緊迫感のある音楽です。
それはどういう場面かと申しますと、まず街の市場でロメオの友達のマキューシオとジュリエットの従兄のタイボルトが決闘しておりまして、ロメオは「ケンカハヤメテー」と止めに入るのですが言う事を聞いてくれず、遂にはマキューシオが殺されちゃうわけです。それを見たロメオは「誰ノだち殺ッタト思ッテンダオラー!」とすっかり逆ギレしましてタイボルトと争い遂にはブスリと刺しちゃいます。苦しみ悶えるタイボルト。我に帰って「ワー俺殺ッチマッター! コイツ ヨク考エタラ ジュリエットノ イトコジャーン! マジヤバクネ?」と後悔しまくりのロメオ。もう散々です。後先考えない若者はコレだから困ります。
今回のさいたまファンファーレクラブはプロコ版「ロメジュリ」で取り上げる4曲の中でこの曲を最後の曲として演奏します。「何だい、お話的にはアチャーな場面で終わるのかプンスカ!」とお怒りの方は申し訳ないです。でも金管奏者8人と打楽器でこういう音楽を演奏会のプログラムとして取り上げるのには色々ゴニョゴニョあるんざんす!
で・・・逆ギレロメオがタイボルトと闘う場面がこの曲の中間部のプレストの部分なのですが、お聴きの通り非常にスリリングな音楽なのです。当然楽譜もスリリングです。それでもオイラたちは金管楽器で演奏すると決めてしまったからにはやらにゃいかん。練習すんべ、そうすんべ。
ちゅうことで、本日は延々とここの練習をしておりました。メトロノームに合わせながらゆっくりめのテンポで始め、だいたい出来たら一目盛り上げ、合わせ、一目盛り上げ、の繰り返し。
こういう修行のような練習は、苦しいながらも一種の快感をもたらします。ランナーズハイ的なやつです。過酷な練習なのに幸福感が漂う妙な時空に彷徨う我ら。
こんな私たちで良かったらお付き合い下さい。


さいたまファンファーレクラブ第16回演奏会
日時|2011年10月2日(SUN)13時開場 14時開演
場所|彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
入場|無料
曲目|プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より
   G.ガブリエリ:ピアノとフォルテのソナタ
   ドビュッシー:3つのシャンソン
   ジム・ピュー:リビング・ブリージング
   ニノ・ロータ:「ロメオとジュリエット」
   安部一城:ゆらゆら(Wiggly Piece)
   ほか