珈琲歯科


ボクが仕事中にコーヒーをよく飲んでいることを知った歯科医のdentisugiくんの奥様がドリップコーヒーのセットを送ってくださいました。
彼らの地元である辻本珈琲さんの逸品です。今までオフィス向けの大量パックばかり飲んでいただけに、風味と味の深みに驚きヤミツキになりそうです。というか、このドリップコーヒー、かなり美味いです。
実はボクがコーヒーをちゃんと味わって飲むようになったきっかけも歯医者さんでした。高校生の頃に顎関節症になったボクは応急措置で口があんまり開かないような処置をしてもらったのですが、その時お医者さんに「歯磨きしづらいだろうから、あまり糖分の多い飲食物はしばらく避けてください」と言われたのです。で、どんな飲み物なら良いのでしょうと聞いたところ「炭酸飲料(当時はノンシュガータイプなんてなかった)やジュースはダメ、お茶やコーヒー(モチロン砂糖ナシ)にしなさい」との答え。
そのときお茶はともかく、大人への階段を昇りたい年頃のボクは砂糖&ミルクたっぷりのコドモコーヒーからの脱却を試みようと決心したのです。まずはそれまで部屋で(下宿暮らしだったので)飲んでいた最下級のインスタントコーヒーを止め、街に出ることにしました。友達と何か食べに行ってもコーヒーはブラックで。お好み焼き食ってもその調子でしたから、さぞカッコ付けてると思われたに違いありません。正直最初は苦くて「やはりオトナってのはヤセガマンで出来てるのかしら」と思っていたんだけど、当時両親が転勤で住んでいた下関のシーモール内にある珈琲専門店「パルレ」*1や旧英国領事館の一角にあるCOFEE HOUSE「下関異人館」あたりから考え方が一変します。なんというか、コーヒーという飲み物は非常に深みがありつつもピュアで甘みさえ内包している飲み物だと気付いたのです。
その後はそれほどコーヒーに傾倒しなかったのですが、いまでもキチンとしたコーヒーを煎れてくれるお店は大好きですし、独立してからはお茶よりもコーヒー党になっています。
今でもれんがなど、近所にコーヒーの美味しい店があるのは有り難い事です。
歯医者さんのおかげでコーヒーの美味しさに導かれ、またこうして歯医者さんからコーヒーを頂くのですから、なんとも不思議な縁だなぁと思いながら本日もコーヒーをススっております。

*1:ここのチーズケーキは信じがたいほど美味い