遺伝子


埼玉大学吹奏楽部打楽器セクションによる第5回打楽器アンサンブルコンサートを聴きに彩の国さいたま芸術劇場へ。平日の夜にも関わらず、会場に入るとお客さんの数が多いのに驚く。パーカッションアンサンブルというのはそれほど認知度の高いモノでもないし、まして普通大学生のコンサートである。現代作品も多い。ガラガラなのが普通なのだ。
今年、創立50周年を迎える埼玉大学吹奏楽部の歴史の中で、現役学生が行った公演としてもこの打楽器セクションのコンサートシリーズは、企画・演出・マネジメントにおいて頭ひとつ抜け出ている存在である。勿論これはパートトレーナーでありゼネラル・プロデューサーの打楽器奏者・小川佳津子さんによる一貫した強力なディレクションと指導力があるからこそなのだが、モチベーションの高いコンサートを作り続けたいと取り組み続けている学生たちの高い意識も十二分に評価出来る。
ボクは第1回の立ち上げより後輩たちが奮闘してきた姿を目の当たりにしてきたが、それ以前からこのセクションは数々の名手を生み出してきたし、卒業後も演奏活動している人が多い。こういう遺伝子は連綿と学生の中に受け継がれていくのだなと彼らの演奏を聴きながら思った。