読んで身につく お絵描きの心得

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幼少の頃より絵だけは得意だ。おかげでご飯まで食べさせてもらっている。ボクから絵を描く能力を取り上げたら明日からウチの一家は野垂れ死んでしまう。ある意味手に職が付いているとは言えない気さえする。
だから、こういうと生意気だが『絵が描けない』という感覚が分からない。苦手を克服して上達した技は上手くなるコツを人にも教えられるが、物心ついた時から出来ていたことを人に教えるのは並大抵ではない。呼吸の仕方を人に教えるような感覚とでも言えば良いだろうか。
今回装丁させていただいたこの本で著者の園田誠さんは、ボクが感覚として教えられない部分を大変わかりやすい言葉遣いで説明している。逆にボクが自分が出来ていることを《意識する》ことが出来て面白い。ボクは絵が苦手な人って「単に観察力がないのだ」と思っていたけれど「どう観察していないのか(何を見ていないのか)」「どう見れば描けるようになるのか」までは分からなかった。漠然に「ちゃんと見れば描けるじゃん」と思っていたのだ。こういうことを説明した本なんぞ、読んだこともなかった。
という訳で、絵というものをどう描いてよいものやらとお悩みの方、ご一読下さい。ただし本書はお手本をナゾルような安直な本ではありません。あくまでどういう視点(観察眼)で描けば《それらしく描ける》のか、という本です。
あぁ、トロンボーンについても「何故吹けないのか」をちゃんと説明してくれる本があったらなぁ〜。